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【お金に強くなる!】格差社会を乗り切るための金融知識

どうも。やすこふです。

3人家族のパパとして家計を支えながらゆるーく経済的自立を目指しています。

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フォーブス誌「世界の大富豪ランキング」によると、世界一の資産家は、Amazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏で、2021年時点の総資産額は、1,770億ドル(約19.4兆円)となっています。

2020年時点では、1,130億ドル(約12.5兆円)だったので、1年で7.5兆円も資産を増やしたということになります。

 

世界2位の資産家は、テスラの創業者であるイーロン・マスク氏で、2021年時点の総資産額は、1,510億ドル(約16.6兆円)でした。

2020年時点では、246億ドル(約2.7兆円)だったので、1年で資産を6倍以上に増やしたことになります。

 

同ランキングの上位者を見ると、続いて、ルイ・ヴィトンCEOのベルナール・アルノーマイクロソフト創業者のビル・ゲイツフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグと続きます。

www.forbes.com

 

こうして見てみると、世界の超お金持ちは、有名企業の創業者や大株主が名を連ねていることがわかります。

これは、お金持ちは企業の株式(資本)を所有することで、資産を増やしているということを表しています。

ここには、今、世界中で広がりつつある貧富の差、格差問題の根源が隠されています。

 

本日は、貧富の格差はどうして広がっているのかを学びながら、私たちは格差社会をどう乗り切ればよいのかということを考えていきたいと思います。

 

それでは宜しくお願いします。

 

 

貧富の格差が広がるメカニズム

貧富の差が広がるメカニズムを深堀りしてみます。

※この章は、単なるウンチクなので次章まで読み飛ばしていただいても結構です。深堀りしすぎました。

 

「世界の大富豪ランキング」をみると、お金持ちになるには資本を所有し、その価値を拡大することが条件となりそうです。

そして、私たちが想像するような、代々続く資産を引き継いだ王様や貴族が世界の富を牛耳っているわけではなく、自身の力で企業を立ち上げ、成功した資本家が現代の富裕層のようです。

まさにこれは、株式や不動産などの資本による収益を得ることで富を得る資本主義の仕組みそのものであり、貧富の差は資本主義の闇の側面とも言えるかもしれません。

 

資本(ストック)と所得(フロー)の重要度

収入の格差問題は、労働者と資本家の間で資産がどのように分配されているかを理解することが必要です。

  

フランスの経済学者 トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』では、世界の国々の数百年にわたる資産や所得の歴史的データを収集し、労働者と資本家の富や所得の分配がどのようになされてきたかを明らかにしています。

 

 

ここで定義される所得とは、ある一定期間で手に入れるお金のことです。水道から流れ出る水をイメージすると良いと思います。

一方で、資本は株式や不動産など、過去から蓄積してきた財産のことです。水道から流れ出てきた水を受ける水槽のようなものです。

 

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ここで、水道から出るの水と水槽に貯まったの水を比較することで、どちらの水が重要とされているかを把握することができます。

水道から出る水が多く、水槽に貯まった水が少なければ、水道の水(所得)の重要度が高く、逆に、水道から出る水が少なく、水槽に貯まった水が多ければ、水槽の水(資本)の重要度が高いと言えます。

 

資本と所得のどちらの重要性が高まっているかを把握する値として、資本/所得比率:βがあります。

 

β = s / g

β:資本の重要度 s:貯蓄率 g:成長率

 

経済の成長率:gは、人口増加率と1人あたりの産出増加率を加えた値となります。

 

人口増加率と1人あたりの産出増加率

今後の人口増加率の予測をみてみると、世界の人口は減少傾向にあり、長期的には0.1~0.2%で推移すると考えられます。

 

世界の人口増加率

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出典:http://piketty.pse.ens.fr/files/capital21c

 

 

1人あたりの産出増加率も減少傾向にあります。

加えて、ピケティによると、どんなに技術的に優れた国であっても、長期にわたって1人あたり産出成長率が1.5%を上回った事例は歴史上ないということです。

 

世界の産出増加率

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出典:http://piketty.pse.ens.fr/files/capital21c

 

つまり、先程のβ = s / g にあてはめれば、成長率:gが減少することで資本の重要度:βは増加傾向をたどると予測できるのです。

 

所得の中の労働所得と資本所得の重要度

私たちが得られる所得のうち、労働から得る所得と資本から得る所得を分けてみると、労働者と資本家の所得格差の傾向が見えてきます。

これは、国民所得に占める資本所得の割合:αを求めることで予測することができます。

 

α = r × β

α:資本所得の割合 r:資本収益率 β:資本の重要度

 

資本収益率:rとは、投資でどのくらいリターンがあったのかをパーセンテージで表した値です。

この資本収益率は、地代や利潤、配当、利子などの様々な資本所得の平均であり、それぞれの資本を個別に見れば、収益性は全く異なってきますが、すべての資産をひっくるめて収益率を計算すると、現在5%程度になるようです。

 

資本収益率は、限界生産性によって決定されます。これは、「資本を1単位追加したことによる生産増加分の価値」と定義されていますが、ちょっと難しい言葉ですよね。

例えば、資本家が1億円の資金を追加したことで、500万円の生産増加分の価値を生み出したとすると、限界生産性は1億円あたり500万円で、資本収益率は5%ということになります。

 

21世紀の資本と労働の割合

このように、資本の重要度:βは将来的にますます高まってくることが予想されますから、資本所得の割合=資本と労働の格差は、資本収益率:rにかかってくるということになります。

資本収益率:rは、資本ストックの豊富さによって変化します。

同じような資本が豊富にあれば、価格競争により収益率は低下していきますし、逆に同じような資本が少なく、需要が多ければ収益率は高まります。

 

ピケティは、今後も資本の重要度:βの増加が資本収益率:rの減少より大きくなる可能性が高いとして、国民所得における資本の割合が増加し、資本と労働の分配率は、資本シェアが上昇するだろうと予測しています。

 

その理由の一つとして挙げられているのが、常に資本収益率:rは、成長率:gを上回ってきたという事実です。

 

r > g

r:資本収益率 g:成長率

 

世界の収益率と経済成長率

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出典:http://piketty.pse.ens.fr/files/capital21c

 

この予測に照らし合わせると、労働からの所得は年率1.5%の伸びしか期待できませんが、所有している資本からは4%を超える所得が期待でき、ますます資本家が富を拡大するような社会構造となることとなります。

 

なぜ格差は生まれるのか?

ここまでは、労働と資本という私たちが収入を得る手段において、貧富の差が広がるメカニズムについてデータを参照して明らかにしてきましたが、社会にはどのような格差があり、何が格差の原因となっているのでしょうか?

世界で起こっている具体的な事象をみていきます。

 

労働による賃金格差

あなたが社長だとして、労働者の賃金を決めるためには何を手がかりにしますか?

 

一つは、その人がどの程度会社に利益をもたらすかという生産性が挙げられます。

例えば、ある人を雇うことによって月間50万円の生産力が向上すれば、この社員は50万円の給料に相応しい人材であると判断できると思います。

 

また、特定の知識やスキルを保有する人材であれば、知識やスキルがない人よりも採用したいと思うでしょう。そのスキルが一般的に不足していればなおさらです。

ここには、需要と供給のバランスが働いてます。

例えば、ドラッグストアでは薬剤師が常駐していなければ医薬品の販売はできませんが、薬剤師の数が足りないため需要に対して供給が十分ではありません。ドラッグストアは薬剤師の求人を行う際、人手が足りませんから他のドラッグストアに負けないように給与を多く設定しようと努力するはずです。

 

生産性や特別なスキルは、高度な教育を受け、高いレベルの技術を習得した者が取得しやすい傾向にあります。

一方で、満足な教育を受けられずに、希少性の高い技能を身につけられない者は自身を差別化できずに、低い報酬の労働にしかありつくことができない場合が多いと思います。

 

資本所有による所得格差

前章でみたように、過去において資本収益率は経済成長率を常に上回ってきました

特に大富豪と言われる富裕層は、その莫大な資産の運用をプロに任せている場合が多いです。大口顧客となれば証券会社も必死になるでしょうから、優先して高い利回りの商品が割り当てられる営業活動が展開されていることは想像に難くありません。

つまり、一度巨万の富を手にすれば、それを急速に拡大させることは難しくないということです。

 

また、相変わらず相続による資産の継承も大きな経済格差の原因となっています。

日本の相続税最高税率は55%ですが、世界にはシンガポール、香港、スイスなど、相続税がゼロという国もいくつかあります。

ある人が一生の中で積み上げた資本は、晩年にはかなりの額に膨れ上がります。税制の助けも受けながら、次の世代へと引き継がれる事で、その資本はさらに集積し、持てるものと持たざる者の格差は世代を介してどんどん広がっているのです。

 

格差問題に関する解決策

ピケティは『21世紀の資本』の中で、格差問題に対していくつかの解決策を提言しています。

 

累進課税の導入

累進課税とは、税金の対象となる資産や収入が多ければ多いほど、負担する税金が多くなる仕組みのことで、代表的に累進課税がかけられている税に所得税相続税があります。

所得税であれば、所得(給料)が高いほど税金が高くなり、相続税であれば、相続する財産が高いほど税金が高くなります。

最高所得に没収的な税率をかけるのは、超高額給与を得る経営者の増加などで格差が拡大するのを防ぐ唯一の方法だと述べています。そして、先進国において、最適な最高税率80%以上だと結論づけています。

 

しかし、先進国がこの最高税率水準を目指す動きはありません。なぜなら、税金を決める国会議員も富裕層であり、自分の首を自分で絞める税率の導入など議題に挙げたくもないからです。

よって、戦争などの余程の国難がない限り、所得税最高税率引き上げは難しいと考えられます。

 

世界的な資本税の導入

世界的な資本税とは、不動産や株式、預金などのすべての資本に対して、評価額が高ければ高いほど税率が上がる累進的な課税方法です。

私たちは既に「固定資産税」という形で資本税を課されていますが、不動産だけではなく、その他の資本にも適用し、さらに世界で協調して累進的な課税を行おうという試みです。

資本税は、他の課税方法と違い、資本そのものに課税することができるため、富の分配における平等性を確保する上で、わかりやすい課税方式と言えます。

 

この税を課すには、誰がどの程度の資産を保有しているかを国際レベルで把握する必要がありますが、個人資産の把握は各国の利害関係が絡むことになりますから、相当な困難を伴うことは想像に難くありません。

 

例えば、タックス・ヘイブン租税回避地は、課税が完全に免除されたり、著しく軽減されたりしている国や地域のことですが、世界的な大企業や資産家が課税を逃れるために、その国や地域に書類上の会社を作っています。

タックス・ヘイブンは、秘匿性が高く、脱税に繋がる恐れもあり問題視されていますが、国や地域としても莫大なお金を集めることができ、利害が一致していますから、なくなることはないでしょう。

 

格差社会を乗り切るために私たちができること

格差を縮小するための税制上の解決策は、国単位での取り組みが必要で、利害関係も絡むためそう簡単なことではなさそうでした。

しかし、私たちは実際にこの格差社会を生きています。

今、格差社会を乗り切るために個人でできることはないのでしょうか?

 

自らが資本家となる

今回、過去のデータを読み解き、資産収益率は常に経済の成長率を上回っており、資本家と労働者の格差が拡大していることを学びましたが、自身も資本家となれば格差社会の勝者側に立つことができるのではないでしょうか。

資本家と言ってもそんなに難しいことではありません。

銀行に預けた預金の一部を、リスク許容度の範囲内で株式投資や不動産投資にまわすことで、銀行預金とは比べものにならないリターンを期待できます。

 

投資未経験の方は、まずはつみたてNISAやiDeCoなどの非課税の投資制度を活用すると良いと思います。比較的少額の資金をインデックス投資信託で愚直に積み立てることが、お金持ちになるための一番確実な方法だと思います。

 

インデックス長期投資法については、過去記事でも書いているので、合わせて読んでいただけると嬉しいです。

【過去記事】

www.yasukofu.jp

 

他の人より高い成長率で働く

ピケティの研究はあくまで平均値であり、自分が他の人よりも高い成長率を実現することができれば、格差社会の勝者になることもできると思います。

 

一つは、高い成長率の企業で働くことが考えられます。企業価値の上昇とともに、自身の給料も飛躍的に伸びれば、資本収益率を上回る成長をすることができると思います。

ただし、日本においては収益が大企業に固定化される傾向にあり、国としての成長率が鈍化していますから、企業で働くのであれば、成長率の高い海外に出るか、高収入の大企業に就職する方が確実かもしれません。

 

もう一つは、ジェフ・ベゾスイーロン・マスクのように自分の努力で高い成長率の事業を行う方法もあります。実のところ格差問題を解決する最も重要な策とも言えます。

すべての人が世界の大富豪ランキングに載るような資産家になれるわけではありませんが、誰よりも働き、生産性を高めることができれば、決して大富豪になることも不可能ではないと思います。

 

まとめ

 

  • 資本収益率は経済成長率を常に上回っており、資本家と労働者の格差が広がっている
  • 高度な教育を受け、親から資産を受け継いだ富める者が、さらに富を得る構造が経済格差を生んでいる
  • 高所得者が経済を動かしているため、国家レベルでの格差解消には時間がかかる
  • 自らが資産家となり、高い成長率で働くことで格差社会の勝者になることができる

 

ここまで見てきたように、格差問題は今のところ解消することはできません

世の中のすべてが平等になるということはなかなか難しいということです。

平等を理想とした社会主義国家の実現も試みられてはいますが、独裁的な体制を生んでしまうなど、人が富を得ようとする欲望を抑えることはできないようです。

 

しかし、諦めるわけではありません。

まず私たちにできることは、どんな世の中になっても生き抜いていける準備をしておくことだと思います。

流されて生きているだけでは、格差はますます広がり、いずれ生活することさえ難しい状況に追い込まれることも十分に考えられます。知らないということはそれだけ恐ろしいことでもあります。

 

あなたはどのように格差問題を解消していこうと考えていますか?

 

これからもお金に関する勉強を続けて、世の中の不平等に負けないマネーリテラシーを手に入れましょう。