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確定拠出年金はどう受け取るのがお得?iDeCoや企業型DCの出口戦略

どうも。やすこふです。

3人家族のパパとして家計を支えながらゆるーく経済的自立を目指しています。

 

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iDeCoや企業型DCといった確定拠出年金は、60歳になるまで引き出し不可のため、受け取り時期はまだまだ先の方が多いと思います。しかし、どんなゴールを目指すのかを考えることは、投資にとって重要なことです。

老後の生活を想像して、退職金や年金の使い道を今からある程度考えておくことで、余裕をもって準備ができますし、いざという時に慌てずに対処できるでしょう。

 

今回は、iDeCoや企業型DCで積み立てた年金を引き出し方と、その際にかかる税金について勉強することで、老後資金を無駄なく取り崩す方法を確認していきたいと思います。

 

 

確定拠出年金の受け取り方

確定拠出年金は、掛け金が所得控除となり、運用中の利益も非課税になるなど、税制上のメリットが多い制度ですが、受け取る際には税金がかかります

そのため、課税方法について、今のうちにきっちり押さえておきましょう。

 

確定拠出年金には2つの受け取り方がありますが、どちらを選択するかによって税金のかかり方が違います。

 

一時金でまとめてもらう

積み立てた確定拠出年金を一時金でまとめてもらう場合、受け取る所得は退職所得となります。

退職所得の場合、退職所得控除という経費にしてよい金額が決められており、その金額を差し引いた分のみが課税されることとなります。

退職所得控除の計算方法は下記のとおりです。

 

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例えば、30年間確定拠出年金を利用し、一時金を受け取る場合、1500万円(元本+運用益)まで非課税になります。

 

【計算方法】

800万円 + 70万円 × (勤続年数:30年 - 20年) = 1500万円

※勤続年数は、確定拠出年金の運用年数に換算します。

 

さらに退職所得は優遇されており、退職所得控除を差し引いた額の2分の1の金額に対してしか税金はかかりません。

つまり、一時金が2000万円の場合、先ほどの例で言えば1500万円が退職所得から差し引かれ、500万円が退職所得となりますが、その半分の250万円が課税対象となります。

 

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所得税:250万円 × 10% - 9万7,500円 = 15万2,500円

住民税:250万円 × 10% = 25万円

 

2000万円の退職金に対して、40万2500円しか税金がかからないということは、税率は約2%です。

しかも、退職所得は分離課税と言って他の所得とは分けて計算されるので、税金が安くなる点も魅力です。

 

ただし、同じ年に会社から退職金をもらった際は、年数が長い方のみが退職所得控除の対象となってしまいます。

 

年金でコツコツもらう

確定拠出年金を年金としてコツコツもらう場合、税制上受け取る所得は雑所得となります。

雑所得で受け取ると、年金は公的年金等控除として一部を税金計算の対象から外すことができます。

年齢が65歳未満の場合は年70万円まで、65歳以上の場合は年120万円まで税金はかかりませんが、国民年金や厚生年金として受け取る額との合算となるので注意が必要です。

 

上記以上の年金を受け取る場合は、年齢と年金の額で控除額が変わってきます。

 

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例えば、65歳で公的年金確定拠出年金が年400万円の場合、

400万円 × 75% - 37.5万円 = 262.5万円

 

所得税:262.5万円 × 10% - 9万7,500円 = 16万5,000円

住民税:262.5万円 × 10% = 26万2,500円

所得税の速算表より)

 

年間400万円を年金として受け取る場合、42万7,500円が税金として引かれ、税率は約10%の計算となります。

一時金でもらうケースと比べて税率が高く、見劣りすると言えるでしょう。

 

さらに、年金受取時に数百円程度の口座振り込み手数料がとられる点も、手痛い出費です。

 

会社員向け確定拠出年金の受け取り方法

確定拠出年金は、必ず60歳から受け取る必要はなく、70歳まで受け取り開始を延長することができます。

会社員の方は、自身が会社でいつまで働くかによって、退職金を受け取る時期が異なるとので、受け取り方法を年齢別に検討しておきます。

 

65歳まで会社で働く場合

先ほど触れたとおり、退職金と確定拠出年金をまとめてもらう場合、退職所得控除は年数が長い方のみ適用されます。

ただし、退職所得控除適用後に5年空けば控除の重複とならないため、60歳で確定拠出年金の一時金を受け取り、65歳で会社の退職金を受け取れば、退職所得控除を両方使うことができます。

 

60歳で会社を退職する場合

公的年金の受け取りを65歳からとする場合、60歳~65歳の5年間は確定拠出年金による年金受け取りとして、公的年金等控除を適用します。

そして、残りを65歳時点で一時金受け取りをすれば確定拠出年金にかかる税金を減らすことができると思います。

ただし、年金受け取りと一時金受け取りの併用は、金融機関によりできるできないがあるため確認しておきましょう。

 

早期退職をする場合

確定拠出年金を退職金より後に受け取る場合、会社の退職金受け取りから15年空けないと退職所得控除の重複対象となってしまいます。

そのため、50歳で早期退職した方は、確定拠出年金の一時金受け取りは65歳まで延長して受け取りとしましょう。

ただし、一時金でまとめてもらうで計算した「勤続年数」は、掛け金を払っている機関での計算となるため、60歳までの支払い年数分が所得控除の対象となる点には注意しておいてください。

 

まとめ

 

  • 確定拠出年金には2つの受け取り方があるが、多くの場合、一時金受け取りがお得。
  • 退職延長する場合は5年、早期退職の場合は15年の退職所得控除の重複期間に注意しよう。
  • 年金受け取りと一時金受け取りが併用できるか金融機関に確認しておこう。

 

これまで学んできた通り、iDeCoや企業型DCは投資であり、年数%の利益を積み上げて大きな値上がり益を得ていくものです。

積み上げた利益が最大化した受け取り時に、手数料や税金で引かれてしまうほどもったいないことはありません。

退職は遠いという方も、今のうちに出口戦略を見据えた積み立て投資を行い、老後の資産運用をイメージしておきましょう。

そして、実際に自分が退職する際は、もう一度思い描いた出口戦略を思い出し、資産面での生活に不安を感じなくて済むような老後を迎えられるようにしましょう。

 

【過去記事】

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会社員必見!企業型確定拠出年金のメリットとデメリット・iDeCoとの併用を徹底解説

どうも。やすこふです。

3人家族のパパとして家計を支えながらゆるーく経済的自立を目指しています。

 

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会社の制度として確定拠出年金で自分の年金を運用している方、会社の用意してくれた年金制度をうまく活用できていますか

確定拠出年金という制度は聞いたけれど、よくわからないので元本確保型を選んで放置してしまっているという方も少なくないと思います。

 

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引用元:確定拠出年金統計資料(2020年3月末)

 

確定拠出年金加入者の運用状況を見ても、預貯金などの元本確保型の商品比率が50%を超えており、せっかくの制度が十分に活用されていない残念な状況にあることは、お金の勉強をしている皆さんにはわかってもらえると思います。

私自身も、勤め先の企業で確定拠出年金を運用していますが、企業型DC(企業型確定拠出年金)で年金運用していてもiDeCoに加入可能なのか、加入できた場合、掛け金はいくらまで設定可能なのかなど、いまいち制度の条件がよくわからない部分もありました。

 

そこで今回は、企業型確定拠出年金制度の仕組みやメリット・デメリット、iDeCoとの違いについて勉強していきたいと思います。

 

それではよろしくお願いします。

 

 

企業型確定拠出年金の基礎知識

企業型確定拠出年金(以降、企業型DC)は、会社員が利用できる年金制度の3階部分にあたり、老後資金に備える手厚い制度のひとつです。

 

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企業が資金の拠出も運用もやってくれる確定給付企業年金(DB)が以前の主流でしたが、その会社で運用が失敗してうまくいかなくなるケースや、企業の経営状況の悪化により悪影響を受ける可能性があることから、年金の運用と会社を切り分けて、個人が年金の運用をする確定拠出年金を採用する企業も増えてきました。

現在、企業型DCの加入者数は約750万人(2021年3月末時点:厚生労働省確定拠出年金の施行状況』より)で、会社員の5人に1人が加入している状況のようです。

 

企業型DCのメリット

企業型DCは、企業が従業員の将来の年金、または退職金をつくることを目的とした制度です。メリットをうまく活用して老後の資産形成を行いましょう。

 

企業が掛け金を負担してくれる

企業型DCを導入している会社に勤めている従業員は、確定拠出年金に強制加入することになりますが、掛け金を払うのは企業です。

法定されている拠出限度額は、企業型DCのみ採用している場合は月額55,000円企業年金(DBもしくは厚生年金基金)を併用している場合は月額27,000円です。

会社によって毎月拠出してくれる金額は違いますが、月額10,000円程度の企業が多いと思います。

 

また、この掛け金は給与ではないため、社会保険料は発生しません

 

口座管理手数料がかからない

企業型DCの場合は、運営手数料も会社が負担してくれます。

iDeCoは、毎月国民年金基金連合会や信託銀行へ年数千円の運営手数料を支払う必要があったので、これは会社から受けられる恩恵と言えるでしょう。

 

マッチング拠出をする場合は所得控除になる

企業型DCの掛け金は会社が出してくれるものなので、本来所得控除は関係ありませんが、マッチング拠出を利用する場合は、その掛け金全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税を安くすることができます。

 

マッチング拠出とは、会社が拠出した掛け金にプラスして、加入者本人からも給与天引きで掛け金を上乗せできる制度で、企業型DCを採用している企業の半分以上が導入しています。

この上乗せした部分が所得控除の対象となります。

 

企業型DCのデメリット

企業型DCは強制加入のため、その企業に所属している限り加入拒否権限はありませんが、デメリットも理解して商品選択を行うとよいと思います。

 

受け取り金額が確定していない

確定給付企業年金(DB)の場合は、自分の給料に応じて給付される金額が計算できるため、将来どれぐらい退職一時金または年金をもらえるのかが大体想定できました。

一方、企業型DCは拠出する最初の金額が決まっているだけで、年金を自分で運用して増やす「投資」であるため、資産運用のリスクを自分自身が抱えこととなります。

 

資産運用のリスクを絶対に取りたくないという方は、企業型DCの商品には先述したように元本確保型のタイプが必ずあるため、元本確保型の商品を選ぶこともできます。

ただし、私としては、60歳までの超長期の運用で真っ先に元本確保型を選択することはおすすめしません。その理由は過去記事で掲載していますので、合わせて読んでみてください。

【過去記事】

www.yasukofu.jp

 

60歳まで引き出せない

iDeCoと同様に、企業型DCも老後資金のために用意することを目的とした制度上、60歳まで引き出すことができません

 

特に、マッチング拠出を利用している場合は給与天引きとなるので、無理をせず余剰資金を充てるようにしましょう。一度入れてしまった資金は60歳まで戻ってきません

また、マッチング拠出の金額変更は年1回のみです。拠出が大変になったからといってすぐには変更できないので、家計に合わせて無理のない範囲で金額を設定しましょう。

掛け金を途中でストップすることは毎月可能なので、応急処置として覚えておきましょう。

 

運用商品の選択肢が狭い

企業型DCは会社側から用意された制度なので、運用商品は会社から運営を委託された運営管理会社の商品ラインナップ次第となります。

従業員が運営管理機関である金融機関を選ぶことはできないので、自分で金融機関を選択できるiDeCoよりも、商品数や管理手数料の面で見劣りする場合も多いです。

 

運用会社の選択権のない従業員側としては仕方ない部分ではありますが、少ない商品の中でもできるだけ信託報酬が低いインデックス運用の商品を選択するようにして、必要以上の運用コストを払わないように注意しましょう。

 

企業型DCとiDeCoのどちらを選ぶ?

 

自分で掛け金を出す場合、企業型DCのマッチング拠出を利用するか、iDeCoを利用するか2つのパターンを選ぶことになります。

 

2021年7月現在、マッチング拠出を実施している企業の従業員はiDeCoには加入できません。

ただし、2022年10月に法改正され、マッチング拠出を導入している企業の従業員も規約に関係なく、加入者がマッチング拠出を利用するか、iDeCoを利用するかを選択できるようになる予定です。

今のうちにマッチング拠出とiDeCoのどちらを選択するか検討しておきましょう。

 

ざっくりの比較は下図を参照してください。

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iDeCoと比較したマッチング拠出のメリットは、口座管理手数料がかからない他、面倒な手続きなく開始できる点が挙げられます。

会社員がiDeCoを始める場合、加入資格の可否を確認するための書類を会社に記入してもらう必要があり、少し面倒なのです。

 

どちらを選ぶかは拠出したい限度額による

企業型DCのマッチング拠出とiDeCoのどちらを利用するかの判断は、自分が拠出したい金額と拠出限度額が合致しているかどうかで判断すべきだと思います。

 

マッチング拠出の限度額は、以下の制約の範囲内である必要があります。

①会社の掛け金額以下であること

②会社掛け金とマッチング拠出の合計額が、法定の拠出限度額を超えないこと

 

例えば、会社の拠出金額が1万円の場合、マッチング拠出の限度額も1万円となります。

若い方などで会社の掛け金が少ないと、本人がマッチングとして拠出できる金額がとても少なくなってしまいます。

 

 なるべく多くの老後資金を貯めたいという方は、手間とコストをかけて企業型DCとiDeCoの2つの口座で運用する事を考えても良いでしょう。

勤続年数が長くなり、会社掛け金が増えてくると、iDeCoよりもマッチングで拠出する方が多く拠出できる場合もあると思います。その時は、iDeCoの同時加入をやめ、企業型DCのマッチング拠出に選択を変更する事も可能です。

 

まとめ

 

  • 企業型DCは、企業が用意してくれた年金を60歳まで自分で運用して増やす年金制度である
  • 商品の選択肢が少ない場合があるので注意。コストの低いインデックス型で運用しよう
  • マッチング拠出を使えば所得控除もうけられるが、60歳まで引き出せないので注意が必要
  • iDeCoと併用する場合は、マッチング拠出と比較して有利な方を選択しよう(2022年10月以降)

 

社会人一年目の新入社員の方は特に、まだ給料ももらっていない会社から退職後の年金運用について問われ、運用先を選択しなければならないので面食らってしまうことと思います。

多くの人はその時点で資産運用なんてしたことがないでしょうから、元本確保型の商品を選び、堅実に年金を貯めていこうとするのは仕方ないことかと思います。

 

しかし、私たちが老後を迎える際の100万円の価値と、今の100万円の価値が同じである保証はどこにもありません。

むしろ老後の100万円は、今の価値より数倍低い可能性が高いことはこれまでの歴史を振り返れば明らかです。

今、企業型DCで元本確保型の商品だけで運用している方も、遅すぎたということはありません。自分のリスク許容範囲内で、老後の資産形成についてできる限りの事を考えてみましょう

【iDeCoって何?】iDeCoのメリット・デメリットを初心者向けに解説

どうも。やすこふです。

3人家族のパパとして家計を支えながらゆるーく経済的自立を目指しています。

 

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老後に備えた資金形成の制度としてiDeCoという言葉は聞いたことはあるものの、制度が複雑で自分は加入できるのか理解できない、どういう点でメリットがあるのかわからないという声はよく聞かれます。

 

そこで今回は、iDeCoの基礎知識やメリット・デメリットついて勉強することで、iDeCoを始めるべきかどうかについて考えていきたいと思います。

 

それではよろしくお願いします。

 

 

個人型確定拠出年金iDeCo」の基礎知識

iDeCoとは、Individual-type Defined Contribution Pension Planの愛称で、日本語では個人型確定拠出年金と言います。

確定拠出年金」とは、2001年から始まった制度で、毎月の掛け金(入金する金額)から運用商品を自分で選び、運用していきます。

確定拠出年金には、企業型と個人型があり、個人型の愛称を「iDeCo」と呼びます。

 

掛け金は自分で決めることができますが、給付金額が決まっていないという点が、国民年金や厚生年金とは大きく違うところです。

つまりiDeCoは、つみたてNISAなどと同じ「投資」であることを理解しておきましょう。

 

iDeCoの始め方

iDeCoは、証券会社や銀行に口座を開設することで始めることができますが、1人1口座しか開設することはできません。

申し込みをする前に自分に適した金融商品を取り扱っている金融機関であるか確認しておきましょう。

特にこだわりがなければ、SBI証券楽天証券などの手数料が安いネットバンクがよいと思います。

 

会社員の方は、勤務先にiDeCoへの加入資格の可否を確認するための書類を記入してもらう必要があります。

ただ、iDeCoに関する手続きに慣れていない会社だと、誰が確認するのか、そもそもiDeCoって何なのかという話から始めなくてはならず苦労したというケースもあるようです。

会社員にとっては少し面倒な手続きがある分、iDeCOへの加入の障壁となっているようですね。

 

iDeCoの投資額上限

iDeCoの掛け金の上限額は個人の属性によって異なります。無理なく継続して拠出できる掛け金額を設定するようにしましょう。

 

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個人事業主などの第1号被保険者は、厚生年金がなく公的年金が少ないため掛け金が多くなっています。

 

会社員の方は少し複雑で、勤め先の企業で企業型DC(企業型確定拠出年金)があるかないか、また、DB(確定給付企業年金)があるかないかで上限金額が変わってきます。

企業型DCを採用している企業によっては、そもそもiDeCoの口座開設ができない場合もあるので、iDeCoに加入したい会社員の方は勤め先に確認してみましょう。

現状はiDeCoに加入できない方も、2022年10月以降に加入要件が緩和され、ほとんどすべての方が加入可能となります。

それまでに情報を収集して自身の年金運用計画を立てるのも良いかもしれません。

 

ちなみに、最低投資額は5,000円/月となっています。

 

iDeCoのメリット

iDeCoは、老後の資金形成のために政府は用意した年金制度なので、税制上の大きなメリットがあります。

 

運用益が非課税となる

通常の投資では、運用で得た利益に対して約20%が課税されますが、 iDeCo口座で運用された商品の利益は非課税となります。

これはNISAと同様ですね。

しかも、60歳まで運用可能なので、始める年齢が若ければ、非課税期間が20年のつみたてNISAよりも超長期での運用による資産形成が可能となります。

 

掛け金が全額所得控除

iDeCoに払った掛け金は全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税を安くすることができます。

例えば、年収500万円の方が毎月1万円を30年間積み立てた場合の所得税・住民税の節税効果は約72万円となります。

 

iDeCoのデメリット

老後の資金形成に備えた制度であるということは、通常の投資とは異なる制約も出てきます。

 

60歳まで引き出せない

老後資金のために用意することを目的とした制度上、60歳まで引き出すことができません。これを資金ロックと言います。

掛け金を途中でストップすることは可能ですが、一度入れてしまった資金は60歳まで戻ってこないので、無理をせず余剰資金を充てることが重要です。

 

加入時、毎月の運用で手数料がかかる

iDeCoは、始める際や毎月の運用で事務手数料がかかってきます。

加入時には、個人年金規約の作成や加入者資格の確認を行う組織である国民年金基金連合会へ支払う手数料として、2,829円(2021年7月時点)がかかります。

 

また、毎月運営管理手数料として、国民年金基金連合会や信託銀行への支払いも発生します。SBI証券楽天証券の場合、171円/月(2021年7月時点)となっています。

運営管理手数料は、大手銀行などでは条件次第で数百円プラスになる場合もあるため、金融機関を選ぶ際には注意したほうが良いと思います。

 

受取時に税金がかかる

iDeCoには、メリットで紹介した掛け金の所得控除と運用中の利益に対する非課税という2つの大きな節税効果がありますが、受取時には税金がかかります。

これは国民年金や厚生年金と同様で、年間の年金受取額が一定の金額を上回ると課税対象となってしまいます。

 

iDeCoで運用した掛け金の受け取り方法は、会社の退職金と同様に60歳でまとめて受け取る一括受取と、国民年金などと同様に毎年決まった金額を分けて受け取る分割受取があります。

どちらの受け取り方を選択するかにより、税金のかかり方も異なります。

ここでは、多くの方にとって税金が少なくなるお得な受け取り方法は一括受取であるということだけ覚えておいていただければ結構です。

 

ただし、これらの手数料・税金を考慮しても、iDeCoの節税メリットの方が大きいことは間違いないです。

 

まとめ

 

  • iDeCoは、自分の老後資金を自分で運用する「投資」である
  • iDeCoは、運用益だけでなく、所得控除の対象となる
  • iDeCoは、毎月手数料がかかり、60歳まで引き出せない

 

iDeCoは、今の生活において余剰資金があり、老後の資金形成準備をしていきたい方にとっては、大きな税制上のメリットもあり、お得な制度と言えるでしょう。特に、所得が高いなどの理由から、現在の税率が高い方にとっては高い節税効果を発揮します。

また、お金を持っていると使ってしまうという方にとっては、60歳まで引き出せないという強制力は、メリットになりえると思います。

 

一方で、事業の資金繰りのために現金を用意しておきたいなど、流動性の高い資産運用が必要な方にとっては、資金ロックがかかるため大きなデメリットとなります。

資産の運用効率を高めたい方にとっては、60歳になるまで自身の大切なお金を塩漬けにしておかなければならないので非効率的と言えるかもしれません。

 

iDeCoに加入するかどうか、加入したとして掛け金をいくらに設定するかは、自身のライフプランに合わせた資産形成計画によって判断が必要となり、必ずしも上限金額いっぱいまで掛け金を設定して節税メリットを高めることだけが回答ではなさそうです。

 

iDeCoに加入しようかどうか迷っている方は、今一度自身のライフプランについて真剣に考える時間を持つとよいでしょう。

【お金の不安を解消】年金の仕組みを理解して老後に備える

どうも。やすこふです。

3人家族のパパとして家計を支えながらゆるーく経済的自立を目指しています。

 

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前回は、個人に合わせた老後必要になる資金の計算方法について考え、「老後2000万円問題」への対応策を考えました。

【過去記事】

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しかし、まだまだ老後資金に関する不安はいくつもあると思います。

例えば、年金の繰り上げ受給が検討されているというニュースや、私たちが高齢者になる頃には年金が支払われなくなるのではないかといった噂は、想定していない不測の事態が起こるのではないかという漠然とした不安を抱かせる原因にもなっています。

そこで今回は、日本の年金制度について掘り下げてみたいと思います。

私たちが日頃納めている年金はどうなっているのかなど、日本における年金の仕組みを解明することで、年金への知識を養い、不安を解消していきたいと思います。

 

それではよろしくお願いします。

 

 

公的年金制度の仕組み

年金には、国民全員の加入が義務付けられている国民年金と、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入する必要がある「厚生年金」があり、この2つを公的年金といいます。

 

公的年金制度は、自分が支払った保険料を自分が受け取るのではなく、現役世代が納めた保険料を高齢者の年金に充てる賦課方式を採用しています。

現役世代が稼いだお金の一部として納める保険料は、引退世代の年金となるわけですが、今の現役世代も将来引退すれば、未来の現役世代が年金保険料を納めてくれることで、年金は繋がっていくという仕組みです。

 

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将来に備えた日本政府の年金運用

賦課方式には難点があり、少子高齢化社会では未来の現役世代が少なくなるため、保険料を納める人数も少なくなってしまいます。

そのため、年金受給額が少なくなっていく可能性もあり、自分が高齢者になる頃には年金が受給できなくなるのではないか、年金を納めずに貯蓄に回したほうがよいのではと思う人もいるわけです。

 

しかし、私は将来の年金についてあまり過度に心配する必要はないと思います。

日本政府は、ちゃんと将来の私たちの年金のことまで考えてくれているからです。

政府は、現役世代から納めてもらう年金保険料のすべてを引退世代に年金として給付するのではなく、一部を年金積立金として、将来の不足分を補う仕組みを作っています。

しかも、ただ積み立てておくだけではなく、年金を運用することで資産を増やしていっています。その積立金を運用する機関を、GPIF(年金積立金管理運用独立法人)と言います。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、現役世代が支払っている年金保険料の一部を年金積立金として運用しており、2020年度実績で37兆8000億円の黒字、過去20年間の累積収益額は95兆3000億円となりました。

 

とはいえ、現役世代が少なくなっていくことは目に見えていますから、老後に備えた資産形成をしておくことは、自分を守る意味で必要だと思います。

 

年金は払い損か?

国民年金の保険料は、直近では月額約16,500円程度で推移しており、40年間で納付額は累計800万円弱と予想できます。

それに対して、国民年金の受給額は年額78万円で、95歳まで生きたとすると受給額の累計は2,340万円となります。

65歳から約10年生きれば元が取れて、その後は長生きすればするほど得になるということになります。

 

厚生年金の保険料は、平均年収500万円の方は40年間で納付額は約1,800万円になります(国民年金保険料を含む)。

それに対して、厚生年金の受給額は、40年×500万円×0.005481=年額約110万円。これに国民年金の受給額(78万円)を足すと、95歳で受給額の累計は約5600万円を受給できます。

年収・勤続年数次第ですが、同じように10年生きれば元が取れますし、国民年金よりも大きな金額を受給することができます。

 

このように見てみると、毎月継続して年金保険料を積み立てるだけで、ノーリスクでこれだけの金額が返ってくるわけですから、年金を払って損をする可能性は低いと言えると思います。

 

公的年金制度は最強の保険でもある

国民年金、または厚生年金に加入していると、自分が障がい者になったときには障害年金が、死亡したときには遺族に遺族年金が支払われます。

 

障害年金は、初診日に国民年金(厚生年金)に加入しており、加入期間の3分の2以上の保険料を納めており、障害認定日(※)に障害状態であると受給されます。

(※)障害認定日:初診日から1年6か月経過した日、またはその期間内に病気やケガが治った日(症状が固定した日)

 

遺族年金は、死亡当時に生計維持関係があった遺族に支給されます。

遺族年金の受給額は下表によりますが、生命保険に入っていなくてもある程度の金額を受給することができます。

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参考:日本年金機構HP『遺族年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)』を元に算出

 

さらに、厚生年金の加入者は、病傷手当の対象にもなります。

病傷手当金は、病気やケガで働けなくなった時に生活を保障するために支給されるお金で、4日以上仕事を休むと受給することができます。

仕事上の病気やケガは労災から出ますが、病傷手当は仕事以外のプライベートなものが対象です。4日目から最長1年6か月まで受給することができ、直近1年間の平均月収の約3分の2の手当てが支払われます。

 

障害年金、遺族年金、病傷手当と、民間保険で言えば生命保険、医療保険、就業不能保険を掛け合わせたような保険が、ひとつの保険料だけでまかなえてしまうのですから、公的年金制度は、まさに最強の保険と言えると思います。

 

3階建ての年金制度をうまく活用しよう

年金制度には、1階にあたる国民年金、2階にあたる厚生年金(これらを公的年金といいました)の他に、3階部分として企業や個人が自主的に設立、加入する私的年金があります。

 

【1階】国民年金(老齢基礎年金): 国民全員がもらえる(※)

(※):年金保険料を10年以上納める必要がある

【2階】厚生年金(老齢厚生年金): 会社員と公務員がもらえる

 

【3階】1階、2階に上乗せできる年金(国民年金基金厚生年金基金企業年金など) : 任意で加入していた人がもらえる

 

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会社員や公務員は、厚生年金にも加入しているため、月10~17万円の年金が受給できますが、自営業者、フリーター、専業主婦は老齢基礎年金だけだと月額約6.5万円となってしまい、心許ないと思います。

そういう方は、私的年金を活用するなどして、老後資金の準備を怠らないようにしましょう。

特に、個人で年金資産の運用ができるiDeCo(個人型確定拠出年金は、加入者掛金の全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税の軽減がされるため、節税対策としても使えるお得な制度です。収入に余裕のある方は、つみたてNISAと合わせてぜひ活用してみてください。

 

年金受給受給のタイミング

基本的なことですが、どの年金も自分で請求しなければもらうことはできません。

年金がもらえる年齢の誕生日の三か月ぐらい前になると、日本年金機構から通知が来るので、通知の指示に従って必要書類をそろえて年金事務所や、役所の国民年金窓口に提出しましょう。

 

国民年金や厚生年金がもらえるのは、原則65歳からですが、申請すれば受給する時期を早めたり(繰上げ)、後ろにずらしたり(繰下げ)することができます。

年金を早くもらいたいという人は60歳から繰上げでもらうことができますし、逆に遅らせてもいいという人は70歳まで遅らせることができます。

受給時期を繰上げたり繰下げたりすると、年金受給額も変わります。

 

繰上げ・繰下げと年金受給額の関係

繰上げの場合、1か月受給を早めるごとに、年金が0.5%少なくなります。

60歳から繰上げすると、65歳時点では本来の年金の0.7倍しかもらえないことになります。

繰下げの場合、1か月受給を遅らせるごとに、年金が0.7%多くなります。

70歳まで繰下げをすると、65歳から受給した場合と比べて1.42倍の受給が可能となります。

この金額は、死ぬまで一生定額となります。

 

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「繰上げ」が得か、「繰下げ」が得かが気になるところですが、それは何歳まで生きるかによって違ってきます。

60歳から繰上げて年金をもらった人は、65歳から年金をもらった人に76歳で総受給額が追い越されます。

70歳まで繰り下げて年金受給を開始した人は、81歳で65歳から年金をもらっていた人に総受給額が追い越されます。

 

5年で1.42倍というのは、利回りで考えると年率7.3%です。

これだけの利回りをノーリスクで受けられ、しかもそれが一生続くということであれば、かなりお得ではないかと思います。

大多数の人は、自分がいつ死ぬかということはわからないのですから、余裕があれば繰下げをして効率よく資産形成をするのがよいのではないでしょうか。

 

まとめ

 

  • 年金を払って損をする可能性は低いが、個人での資産形成も考える必要がある
  • 年金制度は、うまく活用すれば節税にもなる
  • 老後資金に余裕があれば、繰下げをして効率よく資産形成しよう

 

今回は、社会保障制度のひとつである年金制度について学びました。

社会保障制度とは、人々が病気やケガ、老齢や失業など日常生活を送ることが困難な状況になった場合に、社会全体がサポートしてくれる仕組みです。

金銭的利害に関係なく、人々の生活の安定を図ることを目的として国が定めた制度なので、国民に不利があるものではないと考えて良いでしょう。

 

さらに、個人型確定拠出年金iDeCoなどの任意で加入できる、政府が推進している制度も合わせて活用したほうが、生活を豊かにする金銭的恩恵を受けやすいと思います。

 

政府の策定する制度の仕組みは、少し分かりにくい部分もありますが、理解すれば多くの人が活用できるお得な制度です。

お金の勉強をして、マネーリテラシーを高めるということは、このような世の中にあるお金に関する制度を組み合わせて、自分に適した豊かな生活をデザインすることに繋がります。

 

これからも少しづつお金の知識を蓄えていきましょう。

【お金の不安を解消】老後に必要な資産について考えよう

どうも。やすこふです。

3人家族のパパとして家計を支えながらゆるーく経済的自立を目指しています。

 

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皆さんはお金についてどんな不安がありますか?

おそらく最大の不安は、老後働けなくなってからいくらあれば生きていけるのか?ということではないでしょうか。

特に、2019年に金融庁が発表した「老後2000万円問題」は、多くの方が関心をもち、自分の老後に不安を抱えることになったと思います。

しかし、本当に老後2000万円あれば安心なのか、2000万円を貯めることができなければ、死ぬ前にお金が底をついてしまうのかを具体的に調べている人は少ないのではないかと思います。

 

そこで今回は、老後に必要な資金の求め方について考えていきたいと思います。

それではよろしくお願いします。

 

 

老後2000万円問題の計算根拠

そもそも老後2000万円足りなくなると言われている根拠を見てみましょう。

下図は、定年後に年金収入に頼り、平均的な支出をしている高齢夫婦の家計支出です。

 

高齢夫婦無職世帯の一月の収入・支出

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出典:総務省 家計調査年報 平成29年(2017年)

 

この場合の年金収入は、おおよそ夫婦が共働きではなく、どちらかが専業主婦(主夫)をしており、家計の大黒柱は平均年収程度の会社員として一生を貫いた家庭がモデルとなります。

図の通り、平均的な高齢夫婦の支出に対して、平均的な収入がひと月55,000円程度不足しています。

この状態が95歳まで30年間続いたとすると、

55,000円不足/月 × 12か月 × 30年 ≒ 2,000万円不足

というざっくりとした計算からきています。

 

ここで疑問がたくさん浮かびませんか。

私たちが95歳でぱったり死ねる確率はどの程度なのか。一説によると、2007年生まれの日本人の2人に1人は107歳以上まで生きるという話もあります。

また、最近は共働きではない家庭も減っていますし、これからの時代に一生を会社員として過ごす人はどれだけいるのでしょうか

モデルケースの住居費はたったの14,000円となっていますが、おそらく区分所有マンションの共益費程度の支出でしょう。持ち家を持たずに賃貸マンションで暮らす高齢家庭もこれから多くなると思います。

 

「2000万円」の内訳を見てしまうと、自分の場合はどうなのかを計算しないと本当に必要な老後資金は見えてこないように思います。

 

自分の場合、老後の生活費はいくらかかるのか

自身の老後を想像して、いくらあれば安心して生活できるのかを考えてみましょう。

現在の支出を把握する

支出を把握する方法の一つとして、ライフプラン表を作成し、1年間の支出を算出する方法があります。

個人的には、月単位でかかる費用と年単位でかかる費用を思い起こしながら計算してみると思い出しやすかったです。

月単位でかかる費用は、ひと月分の家計簿をつけてみるとおおよそ把握できると思います。

ライフプラン表の作成イメージはこの記事でチェックしてみてください。

【過去記事】 

www.yasukofu.jp

 

②老後に必要な生活費を算出

ライフプラン表にローンの返済完了時期であるとか、クルーズ船で世界一周旅行するであるとか、大きな収支変動の目標値を書き込んであるとより具体化するでしょう。

現状夫婦2人の家庭であれば現状の生活費の9割程度、子供がいる家庭であれば現状の生活費の7割程度に減ることが多いようなので、時間のない方やざっくり計算してみたいという方は、その値で試算してみても良いと思います。

 

③老後に不足する金額を計算

②で算出した老後に必要な生活費から、老後一ヶ月間にもらえる年金をマイナスします。もらえる年金額を確認し、老後一ヶ月間に不足すると予測される老後資金を算出します。

年金額は、毎年誕生月になると送られてくるねんきん定期便で確認することができます。ねんきん定期便には、現時点で予定されている年金見込額が記載されているのでチェックしましょう。

ねんきん定期便をなくしてしまったという方は「ねんきんネット」に登録することで、ネット上で確認することもできます。ねんきんネットにアクセスするには、ねんきん定期便に書いてあるアクセスキーまたは、年金手帳に書いてある基礎年金番号が必要となります。

 

年金定期便は、現時点での国民年金、厚生年金の現時点の支払額に応じた見込額です。これから人生を変えようと考えている方や、まだ若くて年金の納付額が少ない方は、下記の計算方法を参考にしてください。ざっくりの年金額が予想できます。

 

国民年金の予想年金額の計算方法>

780,100円 × 保険料納付月/480 = (A)円

(A)円 ÷ 12 =   円 ・・・1か月あたりもらえる国民年金の目安

20歳から60歳まで国民年金を納付すれば、65歳から毎月65,000円を受け取ることができます。

 

<厚生年金の予想年金額の計算方法>

自分の平均年収    円 × 加入年数 × 0.005481 = (B)円

((A) + (B)) ÷ 12 =   円・・・1か月あたりでもらえる厚生年金

 

④100歳まで生きた場合に不足する金額を計算

65歳から95歳まで30年間生きるとして、30年分の不足分を計算します。

もし、もっと長生きしそうだとか、リスクを厳しめに設定したいという方は、それ以上で見積もってもよいと思います。

③ × 30 年

 

⑤退職金を勘案して実際に不足する金額を算出

会社員や公務員の方は、会社から退職金がでる方も少なくないと思います。大きなお金ですから、老後の生活費として補填しましょう。

④で求めた不足金額から年金額を差し引きます。

退職金の計算方法は、社内規定で決められている会社が多いと思います。計算方法が少し複雑だと思いますが、老後の生活にかかわる資金なので、一度計算してみてもよいと思います。

世の中の平均値では、公務員や大企業が2000万円、中小企業が1000万円程度と言われています。

④ - 年金額

 

⑥もしもの時の予備資金を加算

ここまで、老後に不足する金額を精査してきましたが、あくまで予想は予想ですし、ギリギリの金額です。

老後に災害にあったり、子供が借金を抱えたり、思いのほか長生きすることもあります。

そんな時の予備資金としてプラス1000万円程度を見込んでおくとよいのではないでしょうか。

⑤ + 1000万円

 

いかがでしたでしょうか。あなたの場合、老後に必要な金額はいくらになりましたか?

簡単におさらいすると、老後に必要な金額の計算方法は、

(今の生活費の1~3割 - 年金額) × 30年 - 退職金 + 1000万円

=老後に必要な金額

となります。

 

まとめ

 

  • 老後に必要な資金は「自分の場合」で考えることが大切
  • 年金額を計算して老後に必要な資金を見積しよう

 

将来のことは予想するのが難しいとはいえ、老後の安息を手に入れるためにはある程度根拠を持ってお金を貯めておく必要があると思います。

また、事前にチェックしておけば、不安に駆られて必要以上のお金をため込んでしまい、今を楽しむためにお金を使えないということもなくなるでしょう。

人生を効率よく楽しむためにも、老後資金について考えておくことをおすすめします。

 

リタイアが近づいている方の中には、老後資金が足りない!と焦ってしまった方もいると思います。

しかし、ここであきらめてしまうのは間違いです。

間に合わない場合も、0か100ではなく、30を50にする努力をするなど、気づいたときにあきらめずに努力することが大切だと思います。

今からでも遅くはありません。節約して生活をスリム化するなど、できることから始めましょう。

いい会社って何?成長できる投資先を見つけるための心得

どうも。やすこふです。

3人家族のパパとして家計を支えながらゆるーく経済的自立を目指しています。

 

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皆さんは会社は誰のものだと思いますか?

社長のものでしょうか?従業員のものでしょうか?それとも株主のものでしょうか?

 

会社は自分の資産をリスクに晒しながら、企業に資本金を提供する「投資家」のものとも言えます。

経営方針を策定し、全社員を導くリーダーである「社長」のものとも言えます。

また、日々一生懸命働き、会社を守る「従業員」のものと言ってもいいでしょう。

 

企業は様々なステークホルダー(※)を抱えながら成立しています。

(※)ステークホルダー:企業の経営行動に対して直接的・間接的に利害が生じる関係者のこと。株主、従業員、顧客、取引先、地域社会など。

これら全員が貢献した分だけ利益を得ることができなければ、成長を続けられる企業にはなれないでしょう。

 

今日は、良い会社とは何か?について書いていきます。

と言っても、すぐに値上がりする株の見つけ方とかではありません。

もっと根本的に、成長する会社とは何かということを投資家目線で考えてみたいと思います。

 

それでは宜しくお願いします。

 

 

投資家と企業の関係を保つ市場原理

投資家にとって良い会社とは何かを考える手がかりとして、投資家と企業の関係について述べられた偉人の言葉を紹介します。

 

18世紀イギリスの経済学者 アダム・スミスは、著書『国富論』の中で、「(市場は)個人個人が自分の利益を追求することによって、見えざる手に導かれるかのように社会全体の利益にもなっている」と語っています。

アダム・スミスは、自分の利益を出すための利己的な活動が、社会全体の利益を生む社会貢献につながっており、まるで誰かが導いているかのようだと感嘆しているのです。

国富論』の中では、単に「見えざる手」とのみ書かれていますが、その「手」があまりに神がかった素晴らしい仕事をすることから「神の見えざる手」として知られるようになりました。

 

株式投資と「神の見えざる手」

市場とは、売り手と買い手が出会う場です。株式市場においては、株式を売買することで企業と投資家が出会い、お金の流れが生まれます。

 

企業はビジネスを動かす元手を手に入れるために株式を発行し、投資家は企業のビジネスに魅力を感じてその株式を買い取ります。

投資家の出したお金は企業の資本となり、企業はそれを元手に工場を建設したり、材料を仕入れたり、人を雇ったりします。

事業がうまく行けば、企業は元手以上の富を生み出して、投資家や従業員や社会に還元することができます。

そして、還元されたお金はまた世の中に回って、一部はまた資本となり、どんどん世界は豊かになっていきます。

この富の再生産サイクルこそが、資本主義のメカニズムです。

 

この時、企業や投資家は、極端に言えば自分の利益だけを追求しています。

企業は資本を手に入れて事業を大きくしたいと思っているし、投資家は良い企業の株式を買って儲けたいと思っています。

 

このような思惑から、企業はより多くのお金を手に入れようと、良いビジネスをもった良い会社になろうします。そして、自社の経営内容を投資家などの部外者に対して説明するようになります。

投資家は、決算や事業内容を血眼になって吟味することで、より利益を還元できる企業を選ぼうとします。

企業も投資家も、自己の利益を最大化する為に努力しているだけですが、結局、資本を得られるのはちゃんと儲けを出して、世の中を豊かにできる会社に絞られます

 

このように、それぞれの利益の追求によりながらも、しかるべき企業にお金が流れ込み、社会全体が豊かになっていくことが、私たちの生きる資本主義社会なのです。

 

資本主義社会における投資家は、リスクをとって企業に大事なお金を投じ、社会の成長を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。

投資で儲けたいだけであっても、それが世のため人のためになっているのです。 

 

企業は何のために上場するのか

企業が株式を上場することを英語で「Going Public」と言います。

つまり、それまで企業の経営者や親族等の関係者が保有していた株式が、広く一般に売買される様になるのです。

 

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上場により、経営者は思い通りに株主を選んだり、好き勝手な経営を行うことができなくなります。企業が私的なものから公的なものへとステップアップするわけですから、当然のことと言えるでしょう。

公的な存在となった企業は、決められたルールに従って、投資家の期待に答えるべく透明で成長性の高い経営をしなくてはなりません。そして、株主のために利益を上げ続けなければなりません。

 

上場とは、経営者が投資家の期待に答え続ける覚悟が試されることでもあるのです。

そのような厳しい世界に、あえて経営者が飛び込むのはなぜでしょう。

 

株式上場の目的

株式上場を果たすことで、企業には大きく2つのメリットが生まれます。

 

ひとつは、株式の流動性が上がること、つまり、株式が換金しやすくなることです。

たとえば、創業者が100%の株式を保有している企業を上場させれば、創業者は株式の売買益を得ることができます。

上場前に社員にストックオプション(※)を渡していれば、それが社員に対する報奨にもなります。

(※)ストックオプション:株式会社の従業員や取締役が、自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利。

 

もうひとつは、資金調達がしやすくなることです。

企業は新しく株式を発行することで、その株式を買う人達から多くの資金を集めることができます。

企業が資金を調達する方法は、株式を新規発行することによる直接金融と、銀行からの借り入れなどの間接金融の二通りがありますが、株式による調達資金は、銀行から借りた資金と違って返済期限がないため、企業がじっくり成長投資に使うこともできる大事な資金源となります。

  

投資家から見る上場企業の良し悪し

日本では上場に対するメリットを十分に理解していない企業も多く、株式の新規発行による資金調達を過去数十年も行っていない企業も稀ではありません。

現金を豊富に保有していたり、設備投資が不要なために資金調達が必要ない企業でも、東証一部上場企業」というブランド力を保つためだけに上場している企業もあるようです。

そういう企業は、株式市場にとっては非合理的であり、良い会社とは言えないと思います。

 

株主を見ない日本の経営者

株式会社の社長(経営者)を決定する権限は、本来であれば株主にあります。

しかし、日本の企業は、従業員からの叩き上げの社長が多く、今の社長が次期社長を指名するのが一般的となっているように思います。

このような人選方法が続くようであれば、役員の目は社長ばかりにいき、会社所有者である株主に向かなくなるのは必至です。

 

また、自社株も持たずに経営をしている取締役を抱えた企業も多く、そうした企業の経営者の頭の中は、どうしても給与や賞与等の安定した収入にいってしまいがちです。投資家と同じ目線に立てず、株価に連動するリスクとリターンに対しては疎くなってきます。

前章で述べたとおり、株式会社は、株主から集めた資金から利益を生み続ける目的で株式を発行しているにも関わらず、自社の株式を保有しない経営者は、いかに退職金や賞与を受け取るかということに主眼をおいてしまい、保守的な経営に走りがちです。

 

良い経営者と悪い経営者

投資家目線に立つと、企業のあるべき姿とは、毎年毎年利益を着実に積み上げ、世の中を豊かにすることのできる事業をもっていることでした。

そして、企業は経営者の経営方針次第で着実に成長できるかどうかが大きく左右されることを学びました。

それでは、私たちが投資をする際に確認しておきたい経営者の良し悪しとはどんなことでしょうか。

 

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株主(投資家)にとって良い経営者とは、自らの利益ではなく、会社の成長と株主の利益の最大化のために運営をする人であり、会社に損害を与えないために常に注意を払うことのできる人でしょう。

したがって、株主は、どのような資金配分が企業価値向上に最も寄与するのか、最大のパフォーマンスを追求する判断ができる能力の高い経営者を、業務の委託対象として選びます。

 

一方、悪い経営者とは、会社を私物化し、株主の目線に立てない人と言えます。

経費を業務効率や企業価値向上以外の無駄な事に使うことは、経営者でなくても許されざる行為ですが、会社の余剰金(※)についての使い道明確にしないなど、意味もなく企業にお金を溜め込む行為も株主にとっては経営者の怠慢と見なされます。使い道のないお金があるのであれば、配当として株主に還元されるべきだからです。

(※)余剰金:企業が保有する純資産から資本金・資本準備金を差し引いた残りの金額。つまり、企業が多めに確保しているお金。

何度もお伝えしてきた通り、投資家は常に自身のお金をリスクに晒し、最大限のリターンを追求しているのです。

 

また、企業同士が株式を購入し合う株式の持ち合いも株主にとっては悪とみなされます。企業側からすれば口出しする人が少なくなるので、経営が楽になるのですが、そのために企業の資本は利益に回らず、企業成長は停滞します。また、一般株主の意向が会社に反映されなくなる恐れもあります。

 

これまで見てきたように、悪い経営者は株主から委任を受けているという認識が希薄です。

株主目線での経営がされない背景には、オーナー経営者が少なく、従業員から経営者になるケースが多いためだと思います。

経営者が株主側ではなく、従業員側の目線に立ってしまうのです。

自社株の保有ストックオプションの付与率が低いため、株主目線に立つ機会が殆どないためでしょう。

 

まとめ

 

  • 儲けを出して、世の中を豊かにできる会社だけが資本を得られる
  • 企業は資金調達を目的として株式市場に上場している
  • 株主目線に立てる経営者が企業成長の鍵

 

投資家は、着実に利益を積み上げ、株価を押し上げてくれるであろう企業に大切なお金を預けます。これは、市場原理からすれば何も後ろめたいことはなく、資本主義社会において世の中を豊かにするためになくてはならない行動とも言えることを学びました。

 

そして、私たちが注意を払うべきなのは、企業が預けているお金に対して紳士に向き合うことができているか、預けたお金を効果的に経営に回せているかという事でした。

 

経営者がしっかりと経営しているかどうかは、3ヶ月に一度発表される四半期決算で業績を確認することができますし、コーポレート・ガバナンスにより企業の統治体制を見ることができます。

自分の大切なお金を預ける投資先ですから、株式を保有する企業の情報ぐらいはしっかりと確認しておきましょう。

【お金に強くなる!】格差社会を乗り切るための金融知識

どうも。やすこふです。

3人家族のパパとして家計を支えながらゆるーく経済的自立を目指しています。

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フォーブス誌「世界の大富豪ランキング」によると、世界一の資産家は、Amazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏で、2021年時点の総資産額は、1,770億ドル(約19.4兆円)となっています。

2020年時点では、1,130億ドル(約12.5兆円)だったので、1年で7.5兆円も資産を増やしたということになります。

 

世界2位の資産家は、テスラの創業者であるイーロン・マスク氏で、2021年時点の総資産額は、1,510億ドル(約16.6兆円)でした。

2020年時点では、246億ドル(約2.7兆円)だったので、1年で資産を6倍以上に増やしたことになります。

 

同ランキングの上位者を見ると、続いて、ルイ・ヴィトンCEOのベルナール・アルノーマイクロソフト創業者のビル・ゲイツフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグと続きます。

www.forbes.com

 

こうして見てみると、世界の超お金持ちは、有名企業の創業者や大株主が名を連ねていることがわかります。

これは、お金持ちは企業の株式(資本)を所有することで、資産を増やしているということを表しています。

ここには、今、世界中で広がりつつある貧富の差、格差問題の根源が隠されています。

 

本日は、貧富の格差はどうして広がっているのかを学びながら、私たちは格差社会をどう乗り切ればよいのかということを考えていきたいと思います。

 

それでは宜しくお願いします。

 

 

貧富の格差が広がるメカニズム

貧富の差が広がるメカニズムを深堀りしてみます。

※この章は、単なるウンチクなので次章まで読み飛ばしていただいても結構です。深堀りしすぎました。

 

「世界の大富豪ランキング」をみると、お金持ちになるには資本を所有し、その価値を拡大することが条件となりそうです。

そして、私たちが想像するような、代々続く資産を引き継いだ王様や貴族が世界の富を牛耳っているわけではなく、自身の力で企業を立ち上げ、成功した資本家が現代の富裕層のようです。

まさにこれは、株式や不動産などの資本による収益を得ることで富を得る資本主義の仕組みそのものであり、貧富の差は資本主義の闇の側面とも言えるかもしれません。

 

資本(ストック)と所得(フロー)の重要度

収入の格差問題は、労働者と資本家の間で資産がどのように分配されているかを理解することが必要です。

  

フランスの経済学者 トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』では、世界の国々の数百年にわたる資産や所得の歴史的データを収集し、労働者と資本家の富や所得の分配がどのようになされてきたかを明らかにしています。

 

 

ここで定義される所得とは、ある一定期間で手に入れるお金のことです。水道から流れ出る水をイメージすると良いと思います。

一方で、資本は株式や不動産など、過去から蓄積してきた財産のことです。水道から流れ出てきた水を受ける水槽のようなものです。

 

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ここで、水道から出るの水と水槽に貯まったの水を比較することで、どちらの水が重要とされているかを把握することができます。

水道から出る水が多く、水槽に貯まった水が少なければ、水道の水(所得)の重要度が高く、逆に、水道から出る水が少なく、水槽に貯まった水が多ければ、水槽の水(資本)の重要度が高いと言えます。

 

資本と所得のどちらの重要性が高まっているかを把握する値として、資本/所得比率:βがあります。

 

β = s / g

β:資本の重要度 s:貯蓄率 g:成長率

 

経済の成長率:gは、人口増加率と1人あたりの産出増加率を加えた値となります。

 

人口増加率と1人あたりの産出増加率

今後の人口増加率の予測をみてみると、世界の人口は減少傾向にあり、長期的には0.1~0.2%で推移すると考えられます。

 

世界の人口増加率

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出典:http://piketty.pse.ens.fr/files/capital21c

 

 

1人あたりの産出増加率も減少傾向にあります。

加えて、ピケティによると、どんなに技術的に優れた国であっても、長期にわたって1人あたり産出成長率が1.5%を上回った事例は歴史上ないということです。

 

世界の産出増加率

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出典:http://piketty.pse.ens.fr/files/capital21c

 

つまり、先程のβ = s / g にあてはめれば、成長率:gが減少することで資本の重要度:βは増加傾向をたどると予測できるのです。

 

所得の中の労働所得と資本所得の重要度

私たちが得られる所得のうち、労働から得る所得と資本から得る所得を分けてみると、労働者と資本家の所得格差の傾向が見えてきます。

これは、国民所得に占める資本所得の割合:αを求めることで予測することができます。

 

α = r × β

α:資本所得の割合 r:資本収益率 β:資本の重要度

 

資本収益率:rとは、投資でどのくらいリターンがあったのかをパーセンテージで表した値です。

この資本収益率は、地代や利潤、配当、利子などの様々な資本所得の平均であり、それぞれの資本を個別に見れば、収益性は全く異なってきますが、すべての資産をひっくるめて収益率を計算すると、現在5%程度になるようです。

 

資本収益率は、限界生産性によって決定されます。これは、「資本を1単位追加したことによる生産増加分の価値」と定義されていますが、ちょっと難しい言葉ですよね。

例えば、資本家が1億円の資金を追加したことで、500万円の生産増加分の価値を生み出したとすると、限界生産性は1億円あたり500万円で、資本収益率は5%ということになります。

 

21世紀の資本と労働の割合

このように、資本の重要度:βは将来的にますます高まってくることが予想されますから、資本所得の割合=資本と労働の格差は、資本収益率:rにかかってくるということになります。

資本収益率:rは、資本ストックの豊富さによって変化します。

同じような資本が豊富にあれば、価格競争により収益率は低下していきますし、逆に同じような資本が少なく、需要が多ければ収益率は高まります。

 

ピケティは、今後も資本の重要度:βの増加が資本収益率:rの減少より大きくなる可能性が高いとして、国民所得における資本の割合が増加し、資本と労働の分配率は、資本シェアが上昇するだろうと予測しています。

 

その理由の一つとして挙げられているのが、常に資本収益率:rは、成長率:gを上回ってきたという事実です。

 

r > g

r:資本収益率 g:成長率

 

世界の収益率と経済成長率

f:id:yasukofu:20210626181247p:plain

出典:http://piketty.pse.ens.fr/files/capital21c

 

この予測に照らし合わせると、労働からの所得は年率1.5%の伸びしか期待できませんが、所有している資本からは4%を超える所得が期待でき、ますます資本家が富を拡大するような社会構造となることとなります。

 

なぜ格差は生まれるのか?

ここまでは、労働と資本という私たちが収入を得る手段において、貧富の差が広がるメカニズムについてデータを参照して明らかにしてきましたが、社会にはどのような格差があり、何が格差の原因となっているのでしょうか?

世界で起こっている具体的な事象をみていきます。

 

労働による賃金格差

あなたが社長だとして、労働者の賃金を決めるためには何を手がかりにしますか?

 

一つは、その人がどの程度会社に利益をもたらすかという生産性が挙げられます。

例えば、ある人を雇うことによって月間50万円の生産力が向上すれば、この社員は50万円の給料に相応しい人材であると判断できると思います。

 

また、特定の知識やスキルを保有する人材であれば、知識やスキルがない人よりも採用したいと思うでしょう。そのスキルが一般的に不足していればなおさらです。

ここには、需要と供給のバランスが働いてます。

例えば、ドラッグストアでは薬剤師が常駐していなければ医薬品の販売はできませんが、薬剤師の数が足りないため需要に対して供給が十分ではありません。ドラッグストアは薬剤師の求人を行う際、人手が足りませんから他のドラッグストアに負けないように給与を多く設定しようと努力するはずです。

 

生産性や特別なスキルは、高度な教育を受け、高いレベルの技術を習得した者が取得しやすい傾向にあります。

一方で、満足な教育を受けられずに、希少性の高い技能を身につけられない者は自身を差別化できずに、低い報酬の労働にしかありつくことができない場合が多いと思います。

 

資本所有による所得格差

前章でみたように、過去において資本収益率は経済成長率を常に上回ってきました

特に大富豪と言われる富裕層は、その莫大な資産の運用をプロに任せている場合が多いです。大口顧客となれば証券会社も必死になるでしょうから、優先して高い利回りの商品が割り当てられる営業活動が展開されていることは想像に難くありません。

つまり、一度巨万の富を手にすれば、それを急速に拡大させることは難しくないということです。

 

また、相変わらず相続による資産の継承も大きな経済格差の原因となっています。

日本の相続税最高税率は55%ですが、世界にはシンガポール、香港、スイスなど、相続税がゼロという国もいくつかあります。

ある人が一生の中で積み上げた資本は、晩年にはかなりの額に膨れ上がります。税制の助けも受けながら、次の世代へと引き継がれる事で、その資本はさらに集積し、持てるものと持たざる者の格差は世代を介してどんどん広がっているのです。

 

格差問題に関する解決策

ピケティは『21世紀の資本』の中で、格差問題に対していくつかの解決策を提言しています。

 

累進課税の導入

累進課税とは、税金の対象となる資産や収入が多ければ多いほど、負担する税金が多くなる仕組みのことで、代表的に累進課税がかけられている税に所得税相続税があります。

所得税であれば、所得(給料)が高いほど税金が高くなり、相続税であれば、相続する財産が高いほど税金が高くなります。

最高所得に没収的な税率をかけるのは、超高額給与を得る経営者の増加などで格差が拡大するのを防ぐ唯一の方法だと述べています。そして、先進国において、最適な最高税率80%以上だと結論づけています。

 

しかし、先進国がこの最高税率水準を目指す動きはありません。なぜなら、税金を決める国会議員も富裕層であり、自分の首を自分で絞める税率の導入など議題に挙げたくもないからです。

よって、戦争などの余程の国難がない限り、所得税最高税率引き上げは難しいと考えられます。

 

世界的な資本税の導入

世界的な資本税とは、不動産や株式、預金などのすべての資本に対して、評価額が高ければ高いほど税率が上がる累進的な課税方法です。

私たちは既に「固定資産税」という形で資本税を課されていますが、不動産だけではなく、その他の資本にも適用し、さらに世界で協調して累進的な課税を行おうという試みです。

資本税は、他の課税方法と違い、資本そのものに課税することができるため、富の分配における平等性を確保する上で、わかりやすい課税方式と言えます。

 

この税を課すには、誰がどの程度の資産を保有しているかを国際レベルで把握する必要がありますが、個人資産の把握は各国の利害関係が絡むことになりますから、相当な困難を伴うことは想像に難くありません。

 

例えば、タックス・ヘイブン租税回避地は、課税が完全に免除されたり、著しく軽減されたりしている国や地域のことですが、世界的な大企業や資産家が課税を逃れるために、その国や地域に書類上の会社を作っています。

タックス・ヘイブンは、秘匿性が高く、脱税に繋がる恐れもあり問題視されていますが、国や地域としても莫大なお金を集めることができ、利害が一致していますから、なくなることはないでしょう。

 

格差社会を乗り切るために私たちができること

格差を縮小するための税制上の解決策は、国単位での取り組みが必要で、利害関係も絡むためそう簡単なことではなさそうでした。

しかし、私たちは実際にこの格差社会を生きています。

今、格差社会を乗り切るために個人でできることはないのでしょうか?

 

自らが資本家となる

今回、過去のデータを読み解き、資産収益率は常に経済の成長率を上回っており、資本家と労働者の格差が拡大していることを学びましたが、自身も資本家となれば格差社会の勝者側に立つことができるのではないでしょうか。

資本家と言ってもそんなに難しいことではありません。

銀行に預けた預金の一部を、リスク許容度の範囲内で株式投資や不動産投資にまわすことで、銀行預金とは比べものにならないリターンを期待できます。

 

投資未経験の方は、まずはつみたてNISAやiDeCoなどの非課税の投資制度を活用すると良いと思います。比較的少額の資金をインデックス投資信託で愚直に積み立てることが、お金持ちになるための一番確実な方法だと思います。

 

インデックス長期投資法については、過去記事でも書いているので、合わせて読んでいただけると嬉しいです。

【過去記事】

www.yasukofu.jp

 

他の人より高い成長率で働く

ピケティの研究はあくまで平均値であり、自分が他の人よりも高い成長率を実現することができれば、格差社会の勝者になることもできると思います。

 

一つは、高い成長率の企業で働くことが考えられます。企業価値の上昇とともに、自身の給料も飛躍的に伸びれば、資本収益率を上回る成長をすることができると思います。

ただし、日本においては収益が大企業に固定化される傾向にあり、国としての成長率が鈍化していますから、企業で働くのであれば、成長率の高い海外に出るか、高収入の大企業に就職する方が確実かもしれません。

 

もう一つは、ジェフ・ベゾスイーロン・マスクのように自分の努力で高い成長率の事業を行う方法もあります。実のところ格差問題を解決する最も重要な策とも言えます。

すべての人が世界の大富豪ランキングに載るような資産家になれるわけではありませんが、誰よりも働き、生産性を高めることができれば、決して大富豪になることも不可能ではないと思います。

 

まとめ

 

  • 資本収益率は経済成長率を常に上回っており、資本家と労働者の格差が広がっている
  • 高度な教育を受け、親から資産を受け継いだ富める者が、さらに富を得る構造が経済格差を生んでいる
  • 高所得者が経済を動かしているため、国家レベルでの格差解消には時間がかかる
  • 自らが資産家となり、高い成長率で働くことで格差社会の勝者になることができる

 

ここまで見てきたように、格差問題は今のところ解消することはできません

世の中のすべてが平等になるということはなかなか難しいということです。

平等を理想とした社会主義国家の実現も試みられてはいますが、独裁的な体制を生んでしまうなど、人が富を得ようとする欲望を抑えることはできないようです。

 

しかし、諦めるわけではありません。

まず私たちにできることは、どんな世の中になっても生き抜いていける準備をしておくことだと思います。

流されて生きているだけでは、格差はますます広がり、いずれ生活することさえ難しい状況に追い込まれることも十分に考えられます。知らないということはそれだけ恐ろしいことでもあります。

 

あなたはどのように格差問題を解消していこうと考えていますか?

 

これからもお金に関する勉強を続けて、世の中の不平等に負けないマネーリテラシーを手に入れましょう。